シネマっこ #2 おやすみ メインのお姫様、ニューイングランドの王子様
“Good night you princess of Maine , you king of New England” 院長のラーチ先生は、優しい笑みを浮かべ、必ずこう言い残してから子供達が寝静まる部屋を後にするのです。
舞台は1920年、メイン州のとある製材所の町にひっそりとたたずむ孤児院。
中絶行為が厳しく裁かれる中、堕胎手術や出産が人知れず行われるその場所で、主人公ホーマーは他の孤児達と共に育ちます。
院長ラーチはホーマーを息子同然に可愛がり、生まれつき心臓が弱いとラーチから言われた彼は、孤児院を離れることなく青年となります。
そんな彼は常日頃「誰かの役に立つことをしたい」との思いを胸に、自身の未来を描くのです。
じきにホーマンはラーチの助手として出産に携わり、また幼き孤児の面倒をみるようになります。と同時に、他の孤児が養子として連れ出される事を望むごとく、彼もまたひそかに外の世界への憧れを胸に日々を送るのです。
自分の知らない、どこか別のところで自分が誰かの役に立つことを思い描きながら…..
そんな彼の思いはある日クライマックスを迎えます。軍人のウォリーとその恋人キャンディーが堕胎手術の為孤児院を訪れた際、ホーマンは彼らと共に孤児院から出て行くことを決断します。宛てのないホーマーに、ウォリーは実家のリンゴ農園(サイダーハウス)にて住み込みで働かないかと提案し、ホーマンはそこで新たな生活を送ることになるのです。
友人の恋人であるキャンディーとの恋、同僚、友人との交わりを通して、成長していくホーマーが行き着くところとは……
原作、ジョン・アーヴィング、映画化はラッセ・ハルストレムが手がけた
「サイダーハウス・ルール」。
ラッセの作品が好きな方も多いのではないかと思います。僕も大好きな監督で、本作含め「ギルバートグレイプ」や「ショコラ」にしても、もう何回見たことやら。今回もネタバレなしでお送りしました〜。TSUTAYAに寄る際は是非この一枚を!
Make your day extra comfy with films…… ;)